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エリザベス女王杯も重賞未勝利馬V。
秋のGI馬5頭の、意外な共通点とは? 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2014/11/17 11:15

エリザベス女王杯も重賞未勝利馬V。秋のGI馬5頭の、意外な共通点とは?<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

騎乗の川田将雅はラキシスについて「重賞にも手が届かず、苦しい1年を過ごしてきた。一番大事なところで勝ってくれたことを褒めてあげたい」とコメントした。

重賞未勝利でGI馬となった5頭の共通点とは?

 スノードラゴン(牡6歳、父アドマイヤコジーン、美浦・高木登厩舎)、ショウナンパンドラ(牝3歳、父ディープインパクト、栗東・高野友和厩舎)、トーホウジャッカル(牡3歳、父スペシャルウィーク、栗東・谷潔厩舎)、スピルバーグ(牡5歳、父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)、そしてラキシスと、この秋、重賞初勝利をGI制覇で飾った5頭には、どんな共通点があるか。

 5頭のうち3頭が「ディープインパクト産駒」だ。ディープの仔は、オープン特別-GIII-GII-GIと徐々にステップアップせずとも、飛び級でGIを勝ってしまう「クラスレス」な能力を秘めた馬が多い、ということか。

 また、ショウナンパンドラが社台コーポレーション白老ファーム、スピルバーグが社台ファーム、ラキシスがノーザンファームと「社台グループ」の生産馬である。このグループは、成長力のある馬を送り出すことで知られている。

「同じ騎手が乗り続けている」こと。

 もうひとつの共通点は「同じ騎手が乗りつづけている」ことだ。

 この乗り替わり全盛時代にあって、スノードラゴンは、昨年12月のカペラステークスから大野拓弥が乗りつづけ、スプリンターズステークスが8戦目だった。ショウナンパンドラは、秋華賞の前走、紫苑ステークスまでの4戦は別の騎手が乗っていたが、デビューからの4戦は秋華賞を勝たせた浜中俊が騎乗していた。トーホウジャッカルは、全7戦のうち2戦目以外は酒井学が、スピルバーグは、デビューからの3戦と、昨秋の神奈川新聞杯から天皇賞・秋までの5戦は北村宏司が、ラキシスはキャリア10戦のうち2、3戦目以外は川田将雅が乗りつづけ、競馬を教えてきた。人馬の共同作業で繰り返してきた試行錯誤が、ついに実を結んだ、ということか。

 そして5頭とも、クラブ法人ではなく個人馬主の所有馬だ。クラブと違ってオーナー個人の判断で使うレースを決められるので、必ずしも早い時期のクラシックにこだわらず、成長を待ちながら使っていくことができる、という利点があるのかもしれない。ラキシスの大島昌也オーナーは、愛馬同様、重賞初勝利がGI制覇となった。

【次ページ】 エリザベス女王杯、ラキシスの勝因は?

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