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ブラジルに喫した3年連続の大敗。
変わらぬ「結果」と、異なる「印象」。  

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2014/10/15 11:20

ブラジルに喫した3年連続の大敗。変わらぬ「結果」と、異なる「印象」。 <Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

何度も日本ゴール前でフリーになり、4つものゴールを積み重ねたネイマール。わかっていても対応できない、というのが世界の高さなのだろうか。

格上相手の逆境でも、若いメンバーは積極的だった。

 だがスタンドで試合を見ていくうちに、正反対の感覚が芽生えていく。「逆境のなか」から見えるものが、確かに多かったからだ。

 試合に対する入り方は悪くなかった。いや、むしろ良かった。劣悪なピッチコンディションのなかで、ブラジルが様子見で入ってきたこともあるが、若いメンバーたちに消極性は見えなかった。

 アギーレの4-3-3は、守備時に4-1-4-1となる。ブロックを構え、なるべく陣形を崩さないで守備網にかけるのがミソになる。突破を許しそうになりながらも、何とか網にかけて我慢を続けていった。プレスに行く際の圧力も掛かっていたこともあって、ブラジルが様子を見る時間を伸ばしたような印象を受けた。

先制されても、練習通りの攻撃の型を発揮した日本。

 陣形を崩さずに我慢すべきところ、我慢を捨ててアタックするべきところ、そのバランスの見極めは難しい。

 前半18分、ネイマールに先制点を許したシーンがまさにそうだった。日本の左サイドでオスカル、ジエゴ・タルデッリ、ウィリアンに守備ブロックの間でパスを回され、アンカーの田口泰士が引っ張り出される。ジエゴ・タルデッリからのスルーパスにネイマールが抜け出してゴールを奪われた。左インサイドハーフ、森岡亮太の背後のスペースは狙われていた。

 1点を失っても、日本は下を向かなかった。

 失点から6分後、今度は日本がチャンスをつくる。

 左に開いた森重真人が左ウイングから下りてくる田中順也にボールを当て、オーバーラップした太田宏介がクロスを上げる。相手のクリアがこぼれたところを逆サイドの小林悠が左足ボレーで合わせた。この攻撃パターンは、練習で取り組んできたもの。スピーディーな連係からシュートまで持ち込んだ。

【次ページ】 前線の積極的な守備と、バックラインの粘り。

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