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J1上位陣が次々と敗退した天皇杯。
意外と知らないカップ戦の意義とは?
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byAFLO
posted2014/10/11 10:50
今年元日の天皇杯決勝では、横浜F・マリノスが7度目の優勝を飾った。一発勝負ゆえのドラマ性は、これからも名勝負を生み出し続けることだろう。
2回戦から立て続けに起こったジャイアントキリング。
<2回戦>
ベガルタ仙台 1-2 奈良クラブ[関西社会人リーグ]
鹿島アントラーズ 2-2(PK1-2)ソニー仙台[JFL]
ヴィッセル神戸 1-2 関西学院大[関西大学リーグ]
<3回戦>
横浜F・マリノス 2(延長)3 ギラヴァンツ北九州
アルビレックス新潟 1(延長)2 V・ファーレン長崎
柏レイソル 1-1(PK11-12) ジェフユナイテッド千葉
川崎フロンターレ 0-1 愛媛FC
浦和レッズ 1-2 ザスパクサツ群馬
<4回戦>
サガン鳥栖 0-1 モンテディオ山形
ヴァンフォーレ甲府 0-0(PK3-4)ギラヴァンツ北九州
J1の5チームと、J2の3チームが生き残った8強。
ジャイアントキリングが頻発した理由として挙げられるのが、日程の前倒しである。
7月半ばに行われた2回戦は、W杯による中断期間のためJ1クラブのコンディション調整不足。
8月後半に行われた3回戦は夏場の過密日程によるコンディション不良と、ベストメンバーの温存による戦力の低下。W杯による長期中断は4年に一度の“例外”だが、スケジュールの変更によってJ1チームのコンディショニングは難しさを増し、「真剣勝負できない」というジレンマに直面した。
そうして8強に生き残ったのは、J1の5チームとJ2の3チームである。この展開を「面白い」と見るか「つまらない」と見るか。そこに、形を変えて生まれ変わろうとする天皇杯の意義が問われる。