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グランドスラム準優勝で「謝罪」。
なぜ錦織圭の武器は機能しなかった?
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byAFLO
posted2014/09/09 15:20
激闘を終え、準優勝のトロフィーを手にする錦織圭。世界ランクは日本人史上最高の8位となり、再びトップ10に返り咲いた。
堂々と、雄弁に語った敗戦後の記者会見。
どれだけ落胆しているかと思われたが、記者会見場での錦織は案外、淡々としていた。以前の錦織なら、こういう敗戦では失望の色を隠せないまま会見場に姿を現した。しかし、敗者は堂々と、また彼にしては雄弁に、英語そして日本語での記者会見をこなした。決勝進出の自信、そして男子ツアーを支える主役としての責任がそうさせるのか。そして気持ちの立て直しには、チームも一役買っていたことを錦織は明かした。
「(優勝の)チャンスはチャンスだったので、逃したのは悔しい。でも、少し時間が経って気持ちも落ち着いてきた。コーチ2人にしっかり励ましてもらったので。『大会に来る前は(故障の影響で)なんの期待もなかったのに、こうやって決勝までこられて、すごく評価している』と言ってくれた」
彼はこの経験を必ず糧とするだろう。
「また決勝に戻ってきたいですね。グランドスラムで。この悔しさを忘れずに」
再起を誓った錦織には、チャン・コーチはじめ、力を尽くしてサポートしてくれる力強い仲間がいる。