サッカーの尻尾BACK NUMBER
ハメスが苦しむ、マドリーの「掟」。
ロナウド&ベイルの脇役になれるか。
posted2014/09/05 16:30
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
AFLO
ハメス・ロドリゲスに疑問の声があがっている。
レアル・マドリーはリーガ第2節でレアル・ソシエダに敗れた(2-4)。この試合でいいパフォーマンスを見せた選手は誰もいなかったが、特にハメスは散々な出来だった。マドリー寄りの報道をするマルカ紙ですら、ハメスに先発の中で最低となる4点をつけ、「最悪のパフォーマンス」と辛辣だった。
事実、4-4-2の右サイドでプレーしたハメスは完全に左足サイドを切られ、持ち味は何も活かせなかった。妥当な評価だろう。
アンチェロッティは試合後、「何かを変えなければ。そして私は変えることになる」と意味深な発言をしている。
ピッチを出ることになるのはハメスではないか――。
今季のマドリーの新加入選手の最大の目玉、ハメスにはベンチ降格の噂さえ出ているのだ。
マドリーの唯一にして最大の掟とは。
大きな期待とともにマドリーへとやってきたハメス。アトレティコとのスペインスーパー杯など、好プレーを見せた試合もあった。疑念はどこから来ているのか。
現在のレアル・マドリーの選手に課される、唯一にして最大の掟がある。
それが「脇役としていかに輝けるか」だ。
マドリーはクリスティアーノ・ロナウドとギャレス・ベイルのチームである。それ以上でも、以下でもない。
ロナウドとベイルを活かす試合ができるかどうか。できれば成功、できなければ失敗。シンプル極まりない。
スピード、当たりの強さ、シュート力という強烈な個人能力を持ったこの2人を、他の選手は活かすことが求められる。どんな選手でもだ。