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名馬シンザンと同じエピソード?
新潟2歳Sを勝った“後肢で歩く馬”。
text by
阿部珠樹Tamaki Abe
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2014/09/04 10:30
新潟2歳Sをレコードで勝ったミュゼスルタン。レース後に前肢に骨折が見つかったが、軽症で春には復帰の見込みだ。
勝ちタイムはレコード。春が楽しみになった。
勝ちタイムは1分33秒4のレコード。去年のハープスターをしのいだことになる。ハープスターは豪快な勝ち方が将来性を感じさせたが、ミュゼスルタンのほうはスピードに加えて馬込みを苦にしない落ち着いたレース運び、競られてまた伸びる勝負根性など、さまざまな面で完成度の高さ、「大人ぶり」を見せつけてくれた。
もちろんシンザンの再来などと騒ぐつもりはない。しぶとさと二足歩行ぐらいしか共通点もないし。でも、出世レースを勝ったことで名馬に近い華やかな将来を想像できるようになった。軽い骨折で年内は休むようだが春のクラシックは間に合う。大一番で予想の軸になりそうな馬を見つけることができて、連勝馬券は外したが、気分は悪くはなかった。