甲子園の風BACK NUMBER
斎藤監督と横山部長の名タッグ。
聖光学院を前進させる“2人の監督”。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byRyuki Matsuhashi
posted2014/08/27 10:30
聖光学院の斎藤智也監督(左)と、横山博英部長。横山部長は高校野球界の名コーチ、横浜の小倉清一郎氏とも交流があった。
「渡辺さん、小倉さんのような名コンビを目指したい」
今年の夏、横浜の名参謀として渡辺元智監督を支え、卓越した技術指導や緻密なデータを駆使して'98年の春夏連覇を達成するなど、高校球界で一時代を築いた小倉清一郎コーチが勇退した。横浜なき甲子園では、横山部長が斎藤監督を陰で支え、聖光学院の強さを改めて世に知らしめた。
「渡辺さん、小倉さんのような名コンビを目指したいですけど、まだまだ修行が足りません。みなさんからそう言われるように頑張りますけどね」
横山部長は、自らを奮い立たせるようにそう言っていたことがある。
稀代の名参謀が去った夏。聖光学院の「もうひとりの監督」が、次世代の名参謀としての第一歩を踏み出した。
これ以上ないシナリオではないか。