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“最速”のローマがスクデットへ。
混乱の王者をとらえる準備は整った。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2014/08/20 10:30
2011年のオーナー交代以降、的確な補強を重ねて昨季はついに2位まで辿りついたローマ。4度目のスクデットは完全に視野に入っている。
複数の監督がローマを優勝候補に。
選手も監督も、そしてクラブも今季の目標をスクデットだと公言しているのは、ナポリを含む昨季の上位3強に限られる。そして今季、王者ユーベは突然の監督交代に伴う混乱の中にある。
今季からウディネーゼを率いるストラマッチョーニや、昇格チェゼーナのビゾーリら、地方クラブの指揮官たちの間では「ローマはユーベと並んだ」「優勝候補はローマ」「彼らの補強と強化は的確」とローマの王座奪回を予想する声が出始めた。
永遠の都は、14年ぶりにスクデットを戴くことができるだろうか。
「(W杯イヤーの)今年は、休みが長すぎるな」
実際には、遠征続きで忙しいシーズンオフだったはずなのに、指揮官ガルシアは公式戦のヒリヒリするような緊張感を待ち焦がれていた。勢いに乗るには、開幕戦で難敵フィオレンティーナを叩く必要がある。
「プレッシャーを怖れるような私ではない。最終的な勝利を信じられるかどうかは、われわれ自身にかかっているのだ」
バカンスは終わった。
ローマは走り出す。
オリンピコが燃える季節が始まるのだ。