Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

<智将が読み解くW杯のトレンド> 風間八宏 「武器なきチームが消えていった」 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph byAtsushi Kondo

posted2014/07/29 11:00

<智将が読み解くW杯のトレンド> 風間八宏 「武器なきチームが消えていった」<Number Web> photograph by Atsushi Kondo
決勝へ進んだドイツとアルゼンチン、名勝負を演じたチリやコロンビア、
不完全燃焼で大会を終えた日本。
明暗を分けた各国の戦術を、J屈指の名将・風間八宏が斬る。

point.1 スタイルと武器を持つ国が勝ち上がった。

 今回のブラジルW杯では、チームとして「スタイル」と「武器」を確立しているところが順当に勝ち上がってきた。番狂わせが少なく、その2つを持っていないチームがグループリーグで姿を消している。

 例えば、アルゼンチン。武器は言うまでもなくメッシであり、彼を最大限に活かすスタイルに辿り着いた。前回の南アフリカW杯まではメッシをどう活かせばいいか分からないといった感じを受けたが、その答えを見つけた格好だ。

 メッシは基本的に動かない。それはメッシに合わせて周りが動いているからであり、逆に頻繁に動かれたほうが合わせづらくなる。動かなくともボールを受ければメッシなら何とかしてしまう。グループリーグのイラン戦でも試合終盤、止まっているメッシにパスが渡り、そこから決勝ゴールが生まれている。そう考えると彼の運動量が少ないというデータにあまり意味などなく、それよりも彼が何回ボールを触り、何回決定機を生み出しているかが何より重要になってくる。

 動かないメッシに対してボールを渡せないのがダメというのがアルゼンチンの発想だ。こういったメッシの活用が、アルゼンチンのなかでうまく整理された印象を受けた。

 このアルゼンチンに準決勝でPK戦の末に敗れたオランダも、武器とスタイルが色濃く見えたチームだった。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 1931文字

ウェブ有料会員(月額300円[税別])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

ブラジルW杯2014 The Final

Sports Graphic Number 857

ブラジルW杯2014 The Final

 

風間八宏
ブラジルW杯
ワールドカップ

海外サッカーの前後の記事

ページトップ