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日本とメジャーで異なる“戦力外”。
「DFA」という制度の本当の意味。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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posted2014/06/28 10:30

日本とメジャーで異なる“戦力外”。「DFA」という制度の本当の意味。<Number Web> photograph by Getty Images

ケガで戦列を離れた青木宣親の代わりに、マイナーより昇格したロイヤルズのジャスティン・マックスウェル。DFAされ、マイナー落ちという経緯をたどり、再びメジャー昇格を果たした。

DFA翌日にメジャー契約を結び直した選手も。

 実はマックスウェル以外にも、目まぐるしい動きをしている選手を発見した。

 レッズのロジャー・バーナディーナ投手だ。

 5月3日にDFAされ、同5日にマイナー行きが決定した。ところがその翌日の6日に再びメジャー契約を結び直し、25人枠に復活している。そして今月21日に再びDFAされ、現在は最終措置を話し合っている状況だ。

 またオリオールズのスティーブ・ピアース選手のケースも面白い。

 4月22日にDFAされ、同27日に一度は解雇処分になりながら、2日後の29日にFA選手として契約を結び直し、現在もメジャー選手として25人枠に復帰しているのだ。

 改めて今シーズンの各チームのDFAの統計をみてみると、全チームでのべ94回のDFAが行なわれ、近々の措置でまだ最終的な処遇が決まっていない10選手を除き53選手がそのままチームに残留している。これを“戦力外”と呼ぶことには違和感がある。

日本の“戦力外”とDFAは大きく異なる制度だ。

 今やすっかり年末特番として定着したテレビ番組、『プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達』などを見てもわかるように、NPBの場合「戦力外=お払い箱」というイメージが強い。

 だが、メジャーにおけるDFAは、契約上のルールやチーム事情など様々な要素が絡み合い、固定した40人では戦うことが難しい環境の中でシーズンを通して選手を確保するための大事な戦術の1つになっていると言える。

 さらに言えば、DFAの存在が選手の動きを活性化し、例えば出場機会が少なくなったベテラン選手たちが新たな働き場所を掴むチャンスを創出しているのだ。

 まさに“戦力外”などでは表現できないDFA。こんなグラウンド以外の動向に注目することでも、メジャー観戦の魅力がさらに増すことになるのではないか。

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