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「信じられないくらいコンパクト」
前半で勝負を決めたドイツの“満足”。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2014/06/17 12:20
グループ最大の難敵ポルトガルを相手に、快勝で最高のスタートを切ったドイツ。南米の二強に注目が集まっているが、そういう時にこそゲルマン魂は発揮される。
レーブの目標は「決勝にたどり着くこと」。
後半、ポルトガルはセンターバックを投入することでどうにか対応したが、今度はコエントランが負傷し3枚目のカードを切るともう打つ手なし。レーブ監督も「後半はボールキープからカウンターアタックを狙う、前半とは違うゲームになった」と表現した。
ポルトガルのベント監督も「前半で負けたようなものだった。後半に打つ手はなかった」と力なし。ラフプレーは多いが、CBとして守備の要であるペペが退場しただけでなく追加点も許したことで、全ては前半に決まっていたのだった。
もう一つ試合を決定づけたものがあるとしたら、この日の気候だろう。試合前の発表によると、気温26度、湿度79パーセントと気温の割に蒸し暑く息苦しさを感じる条件だった。
また13時開始のこの試合では、非常に強い直射日光が選手達を照らしていた。ピッチ上の選手達は少しでも時間ができるとすぐに給水を行ない、顔や体に水をかけていた。もしも、この条件がもう少し和らいでいたら、ポルトガルももう少し試合当初のスピードを維持できたかもしれない。
無事に白星発進したドイツだが、レーブ監督は今大会を若手のテストの場で終わらせず、ベテランに頼ったチームにすることもなく、とにかく「決勝にたどり着く事が目標なのだ」と言い切っている。初戦ではシュバインシュタイガーに出場機会がなかったことや、CBフンメルスが負傷交代したことが気になるところではあるが、W杯が長期戦であることを考えると文句なしの好発進。今後の戦いが楽しみだ。