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プロでもついに160キロ!
渡部建が考える大谷翔平の二刀流。
posted2014/06/17 12:30
text by
渡部建Ken Watabe
photograph by
Production JINRIKISHA
最新号が配信されました。6月15日配信号の内容を一部ご紹介します。
目次
【第1打席】「プロでも160キロ! 大谷翔平は二刀流を続けるべきか?」
~私的二刀流活用術~
【第2打席】「グリエルが活躍すれば日本野球の未来は明るい!?」
~私的キューバ撃退法~
【第3打席】「『管理野球』も悪くなかったけど。西武の逆襲はあるか?」
~私的チーム浮上論~
【第4試合】「生え抜きが成長したヤクルト。とにかく打線が絶好調!」
~私的生え抜き傍観記~
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【第1打席】「プロでも160キロ! 大谷翔平は二刀流を続けるべきか?」
~私的二刀流活用術~
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――大谷(翔平)が160キロです。6月4日の広島戦。初回、3番・丸(佳浩)に投じた5球目、外角のストレート……しびれました。
渡部:おお! 6月11日の巨人戦でもアンダーソン選手の時に出したし。もうね、ほんと素晴らしいですよね、大谷選手は。
――これはいよいよ、投手として覚醒の時を迎えたと判断していいんでしょうか?
渡部:いやぁ、まだまだ成長してくれるでしょう! 大谷選手に関してはね、日本ハムに入団してから「投手と打者どっちがいい?」と侃々諤々、野球ファンのみならず解説者とか色んな人を巻き込む論争になっているわけだけど、これはね、居酒屋における経済効果としたらハンパじゃないおつまみなんですよ。だって、僕らだってこれまで、お酒を飲みながら何時間も激論を交わしてきたわけじゃないですか。その時点で、大谷選手の「二刀流挑戦」はものすごく有意義だったわけだし、それだけ影響力のある選手だってことなんですよ。そこでこの前、160キロ出しちゃったわけだから、ほんとにね、素晴らしい! としか言えない。
――5月28日のヤクルト戦で、7回2アウト一、二塁のピンチでバレンティンと対戦した時なんかもしびれましたもん。158キロを出しちゃったり。最後はスライダーで打ち取りましたけど、高卒2年目のピッチャーがホームランの日本記録保持者に真っ向勝負ですよ。どんだけ自信を持って投げてんだ、と。
渡部:ほんと、お金を払ってでも観たい選手ですよねぇ。ただね、これは表現に語弊があるかもしれないけど、それだけ力のある大谷選手がピッチャーに専念して15勝を挙げました。チームとしては嬉しいだろうけど、ファンからすれば、嬉しさ反面、「15勝のピッチャーになっちゃったな」ってどこか虚しさも出てくると思うんですよ。「二刀流・大谷」が160キロを出したことに大きな価値があるだろうし、僕らの喜びも倍増するっていうか。
――個人的に本音を言えば、やっぱりピッチャーに専念したほうがいいと思っているんですよ。最初はアメリカを目指していたわけだし、将来的に本気でメジャーを目指すとしたらあっちのスカウトたちはコンディショニングとか体の状態とかすごく気にしそうだし。最短距離で、と考えるならピッチャーだけにしておいたほうがいいのかな、と。
渡部:本当はね。迷う必要なんてないからね。最初からピッチャーとしてプロ入りしたら誰もそこを疑わないわけだから。でも、実際に二刀流でここまでできちゃっているわけじゃない。すでに有意義なわけだから、調整をうまくやりながら二刀流としての階段を登っていってほしいかな。
――ぶっちゃけ、渡部さんは最初、どっちがいいと思いました?
渡部:高校時代からずっと見てきた僕らからすれば、大谷選手はバッターですよ。