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法廷に舞台を移した“清武の乱”。
巨人お家騒動は「こどものけんか」?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2014/06/13 10:50
裁判では、巨人側が清武氏に1億円の損害賠償を求め、清武氏側が巨人と渡辺氏に6000万円の損害賠償を求めている。
“反逆者”を許さない巨人の徹底姿勢の恐ろしさ。
一方の巨人側も、読売新聞グループを挙げてのなりふり構わぬ清武潰しの意図は露骨だ。1000万部を公称するメディアが、決して“反逆者”は許さずここまでやるという姿勢には、第三の権力としての恐ろしさを感じざるを得ない。
裁判は9月中旬にも一審は決着するが、その後、どちらが勝っても上級審に持ち込まれるのは確実である。そしてそこでも続く醜い暴露合戦と中傷合戦――。もはやここには正義などどこにもない。お互いがお互いの面子とエゴをむき出しにした「おとなのけんか」でしかないのである。
ちなみにポランスキー監督の映画『おとなのけんか』の原題は『Carnage』で、その意味は「虐殺」である。
どちらかが社会的に「虐殺」されるまで、この争いは続くのだろう。