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欧州勢初の南米W杯優勝のために。
ノイアーがまとい始めた「狂気」。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byGetty Images
posted2014/05/21 10:30
3月5日のチリ戦では、序盤に奪った先制点をノイアーら守備陣がなんとか守りきり1-0で勝利した。チームとしての前がかりは解消されておらず、ノイアーにかかる負担は大きい。
高すぎるDFラインはドイツ代表の弱点でもある。
ノイアーには苦い思い出がある。ユーロ2012準決勝のイタリア戦だ。ドイツはCKを獲得して人数を割いて上がったところ、逆にそこからカウンターを食らってバロテッリにだめ押し点を決められてしまった。
「攻撃の選手たちは得点に意識がいきすぎて、ボールが相手に渡ったときの戻りが遅かった。その結果、簡単にバロテッリに縦パスが出てしまった。もっと守備を安定させなければならない」
ノイアーが指摘するように、ドイツ代表はDFラインを高く設定しすぎ、簡単に裏のスペースを使われてしまうことが多い。W杯優勝を果たせるかは、どれだけ失点を減らせるかにかかっている。
「ドイツ国民はタイトルを求めている。僕たち選手もそうだ。ブラジルに彼らのホームで勝つには、自分たちのトップパフォーマンスを出さなければならないが、ドイツにはその力がある」
ノイアーの狂気が覚醒すれば、欧州勢初の南米大会制覇という奇跡が起こるかもしれない。