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コートジボワールの“神”、ドログバ。
国民が寄せる絶対的信頼感の源とは。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2014/05/19 10:40
現在36歳、しかしコートジボワール国民がドログバにかける信頼は微塵も揺るいでいない。ヤヤ・トゥーレなどを擁する“エレファンツ”、日本に楽に勝ち点をくれる相手ではなさそうだ。
「アフリカ最強」の名に恥じぬ戦いを。
ドログバ本人の並々ならぬ決意は容易に想像できる。代表での国際舞台では「アフリカ最強」の期待に応え切れていないのだ。'06年と'10年の2度のアフリカ選手権決勝は、いずれも自身のPK失敗を含む敗戦。W杯では2大会ともグループステージ敗退に終っている。
但し、過去2回の「最大の晴れ舞台」では、いわゆる「死の組」に入る不運に見舞われた。ドイツ大会ではアルゼンチンとオランダ、南ア大会ではブラジルとポルトガルがグループ内にいたのだ。
その点、大国不在の今大会グループCでは1位通過の望みさえある。前回大会でさえ「ベスト4を狙う」と豪語していたドログバの頭には、母国躍進のイメージが浮かんでいても不思議ではない。その強気な発言の裏には、やはり頼もしい姿勢があった。「他国のアフリカ勢を見る目を変えてみせる」という意欲だ。サッカー界を越えたコートジボワールの象徴である「アフリカ代表」FWが、現役最後のW杯に挑む。