プレミアリーグの時間BACK NUMBER
リーグ史上最高のシーズンの幕引き。
'13-'14プレミアベストイレブン発表。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2014/05/16 10:30
最終節ホームでウェストハムに2-0で勝利し、優勝を決めたマンC。総合力でライバルたちを一歩上回った。
中盤中央は今季トップ2の中核で決まり。
●MF ヤヤ・トゥーレ、スティーブン・ジェラード、アダム・ララーナ、エデン・アザール
中盤の中央は、今季トップ2の中核で決まりだろう。
マンCのヤヤ・トゥーレには攻撃過多という意見も聞かれたが、その攻撃面でリーグ戦20ゴール。MFではフランク・ランパード以来の快挙だ。エースのセルヒオ・アグエロが、負傷欠場を繰り返しただけに、更に重要な得点源となった。
もう1名は、ブレンダン・ロジャーズ監督の期待通り、リバプールで「中盤最深部のプレーメイカー」に変貌したスティーブン・ジェラード。不安定な最終ラインの前でタックルに奔走しつつ、レンジの広いパスを散らして攻撃の起点となり、リーグ最多の13アシストをこなした。24年ぶりの優勝には手が届かなかったが、最終節ニューカッスル戦(2-1)での逆転勝利も、FKから危険度抜群のクロスを立て続けに放り込んで2ゴールを呼んだジェラードによるものだった。
両翼は対照的な2人を選出。
両翼は遅咲きと早熟のテクニシャン2名。右サイドで選出するアダム・ララーナは、リーグ戦全試合に出場したサウサンプトンでフリーロールを任されたように、タイトなエリアでもパスを要求し、確かなキープと広い視野でチャンスメイクを繰り返した。
もちろん、プレッシングサッカーを信条とするマウリシオ・ポチェッティーノ監督の信頼を得た前線からの守備も精力的。オールラウンドな26歳は、代表デビューも飾り、クラブの枠を超えてイングランド国民を喜ばせた。
逆サイドは、タレント揃いのチェルシー2列目で主役となったエデン・アザール。リーグ戦14ゴール7アシストはチーム最高。ドリブル突破とカットインからのゴールなど、個人技の魅力はリーグ最高レベルにあった。ジョゼ・モウリーニョ新監督の下でハードワーク可能なプレーメイカーに成長した23歳は、PFA(選手協会)選定の年間最優秀若手選手として、他チームの同僚にも認められた。
2列目の控えは、アーセナルで大物新戦力メスト・エジル以上のインパクトを残したアーロン・ラムジーだ。年末から大腿部の怪我で3カ月強の戦線離脱を余儀なくされたが、リーグ戦スタメンに復帰したラスト3試合では2ゴール1アシスト。8ゴール7アシストで終えた前半戦と違わぬ存在感を発揮した。最終節ノリッチ戦(2-0)、降格チーム相手とはいえラムジーのボレーに始まった順当勝ちを目撃して、新主軸の復帰を待てずに優勝争いから脱落したことを悔やんだのは、アーセナル・ファンだけではない。