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諦めが悪い“一流半”の男たち。
パルマ躍進の中心はカッサーノ!? 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byGetty Images

posted2014/03/18 16:30

諦めが悪い“一流半”の男たち。パルマ躍進の中心はカッサーノ!?<Number Web> photograph by Getty Images

チームをけん引するカッサーノは、現在11得点でランキング9位。心身のバランスさえ崩れなければ、その才能の輝きは今もなお衰えていない。

「監督がカットインの方法を教えてくれた」

 ドナドーニと試行錯誤を重ねながらの3年目、ビアビアニーは相手の急所を的確に突く超高速アタッカーへと成長した。相手がどんなに対策を講じようとも、白金ブロンドヘアの背番号7は、両サイドから凄まじい勢いで敵陣を攻め落とす。

「チームメイトが自信をもって、俺にボールを預けてくれるようになった。グラウンドの中で慌てなくなったのは、監督の指導のおかげ。特にカットインの方法を口酸っぱく教えてもらったのが効いていると思う。(今冬の移籍市場で)広州恒大からのオファーを断ったのは、まずパルマで何かを勝ち取りたい、と思ったから。EL出場権獲得のためにもここから先が大事だ」

どこか荒削り、しかし「中身」が詰まっている。

 28節終了時点(パルマの消化試合は27試合)での31失点はリーグ5位の少なさ。奮闘する守備陣にあって、28歳のDFパレッタも“一流半”から脱皮しつつある。

 9年前、U20アルゼンチン代表だったパレッタは、FWメッシ(バルセロナ)らとともに、MFセスク(同)やMFダビド・シルバ(マンチェスターC)を擁したスペインなどを破って世界一に輝いた。

 その後のキャリアでは遠回りしたが、パルマに加入した4年前からセンターバックとして対人プレーに磨きをかけた。イタリア移民の血を引くパレッタは、今月5日の親善試合スペイン戦で、遅咲きのイタリアA代表デビュー。注目のFWジエゴ・コスタ(A・マドリー)を抑えきったことで、一発勝負だったブラジルW杯本大会メンバー入りへのチャンスもモノにした。

「緊張はしなかった。いつもパルマでやっている通りやればいいだけだ、とわかっていたから」

 昨年、パレッタ獲得を狙うホッフェンハイムから届いた1100万ユーロのオファーを跳ね除けたのは、パルマの英断だった。パレッタは出場停止処分のためにミラン戦を欠場したが、指揮官の古巣撃破で選手たちの士気はいよいよ上がった。

“一流半”の選手たちが揃うパルマの戦い方は、どこか荒削りの部分が残る。だが、ドナドーニに言わせれば「大事なのは見た目でなく中身」なのだ。

【次ページ】 「俺たちは今、ものすごいことをやろうとしているんだ」

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