野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
開幕直前恒例! MLB愛好家3人の、
新外国人クロスレビュー(パ編)。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKYODO
posted2014/03/18 10:30
2月、久米島キャンプの練習中にジョーンズ(左)と談笑する楽天・ユーキリス。
『オレ、野球しに日本へ行くんだ』『え? オレも』
●チャッド・ハフマン(千葉ロッテマリーンズ) 外野手 推定年俸 1500万円
Toyo 「来日時、飛行機で西武のランディ・ウィリアムスと偶然隣り合わせて、勿論お互い知らなくて『オレ、野球しに日本へ行くんだ』『え? オレもなんだけど!』みたいな会話したとか」
Tessy 「やっぱり、西武vs.ロッテの因縁は深いですね。この人自体はぜんぜん知らないですけど」
Tomo 「ドラフト2巡目でパドレスに入団して期待されていたんですよ。ところがパワーやスピードなどで際立って目を引く部分がなかったので、マイナーで成績を残してもメジャーから声が掛からず。パドレスなのに。でも、2010年にA.Rodが故障したヤンキースがいきなりトレード要請してきて、メジャーでほんのちょっとだけプレーしました。足も長打もありませんが、選球眼、ボール捌きは悪くはない。意外に活躍できるかも知れません」
●バーバロ・カニザレス(福岡ソフトバンクホークス) 内野手 推定年俸 4500万円
Toyo 「さて、やっときましたキューバ系です。今年はキューバの選手が4人加入しますが、ここ20年でアメリカに亡命で来た選手が全部で70人くらいだそうですから、去年ホームラン王のアブレイユも含め5人いる状況は多いですよね。キューバの選手は、年齢詐称がよくあるんで、そこにも注目したいですね」
Tessy 「このカニザレスってメキシカンリーグで無双したバッターですよね。……それより、カニが食えないんだって。それだけで勝ちだなぁ」
Toyo 「この人もアブレイユと同じ、元キューバ代表ですよ。鳴り物入りでブレーブスに入ったのですが、メジャーでは鳴かず飛ばずで、ここ3シーズンは主にメキシコでプレー。確かに首位打者を取ったりすごい数字を残しています。去年のアブレイユくらいやれるかもしれませんね。守備も同じ、1塁かDHです」
Tessy 「カニが食えないんだって(笑)」
●ユニエスキー・ベタンコート(オリックス・バファローズ) 内野手 推定年俸 1億円
Tessy 「今年の新外国人でユークに次ぐ大物ですよね。セイバー的な守備指標では評価が低いけど、しばしば派手なファインプレーを見せるタイプ。フリースインガーだから7番くらいに置くのがベストじゃないですか。去年のロペス(巨人)と含め、イチローがいたマリナーズで二遊間を組んでいた二人が同時に日本でプレーするなんて感慨深いなぁ」
Toyo 「そういう面では似た境遇のロペスを小さくした感じですかね。この人も早打ちですが、日本の投手のコントロールの良さで、ロペス同様いい面が出るか? というところ。守備は上手いわけではなく、衰えもあって二遊間は無理だと思いますが、内野両コーナーなら無難でしょう。あ、この人もキューバ出身です」
Tomo 「特筆すべきはやはり早打ち。“メジャーで一番ピッチャーに投げさせない男”ですから。相手ピッチャーを完投させるにはこの男が必要だって言われるくらいに、群を抜いて振り回します。でも空振りは多くありません。ということで反省もしません。たまに意外性のあるホームランとかをぶっ放すので侮れません。昨年、巨人に入ったホセ・ロペスも取り上げましたが、この二人とイチローが揃った当時のマリナーズは、相手投手の完投数がダントツに高いチームでした。ロペスの方は昨年幸いにも3割打ったようですが、こちらベタンコートは出塁率が3割に届かない低い数字になるような気がします。昨年辺り、動体視力がガタ落ちしているんじゃないか? と思うような数字ですし」