野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
開幕直前恒例! MLB愛好家3人の、
新外国人クロスレビュー(パ編)。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKYODO
posted2014/03/18 10:30
2月、久米島キャンプの練習中にジョーンズ(左)と談笑する楽天・ユーキリス。
日本にも“ヨム・キプル欠場”の前例はある!?
Tomo 「ちなみにコーファクスが欠場したワールドシリーズの第1戦。代わりに投げたドライスデールが滅多打ちに遭って『俺もユダヤ人だったら良かった……』と記者にボヤいたといわれています。でも、コーファクスは先発投手なので代わりがききました。印象的なのは例えば'04年ドジャースのショーン・グリーン。あの時は、猛追してきたジャイアンツにわずか0.5ゲームと迫られた大事なゲームでショーンが欠場し、騒ぎになりましたね。その当時、ボストンの若手だったユーキリスとゲイブ・キャプラー(元巨人)もユダヤ系ということで話題になりましたっけ。GM、テオ・エプスタインは『彼らが出場しなくても、どちらに決めても僕は構わない』とコメントしましたが、彼もユダヤ系ですからね。ご本人は球場に来て仕事をしていたそうですが」
Tessy 「巨人に来たキャプラーは安息日の話題にはなりませんでしたね。毎日安息していたんでしょうし」
「シェーン、カンバーック。試合にカンバーック」
Toyo 「実は日本にも“ヨム・キプル欠場”の前例はあるんです。カープに所属したリッチ・シェーン。彼もユダヤ系で、'75年カープ初優勝のとき、中日と苛烈な優勝争いさなかにある9月の日曜日の巨人戦を欠場しました。当時の日本の社会通念からは『仕事優先』が当然で、みんなビックリしたものです。ちなみに、シェーンは私の家の近くに住んでいたのですが、その欠場の当日、シェーン家のマンションの下で、酔っぱらい風のおじさんたちが、映画の「シェーン」のラストシーンさながら、『おーい、シェーン、カンバーック。試合にカンバーック』と叫んでいたのは作り話のような実話です。わはは!」
Tomo 「ユークはこれまでメジャーで9年半プレーしていますので、野球年金の満額支給まであと半年はメジャーでプレーしなければならないため、日本では1シーズンのプレーで契約終了する可能性も大ですが、ご家族が日本をものすごく気に入っちゃって、ユーク自身も腰痛のケアに温泉が欠かせなくなったとかになっちゃって……なんていう妄想をしてしまいます」
Tessy 「仙台は秋保、作並と腰痛に効く温泉もありますからね。ジョーンズと二人温泉に浸かるのも絵になり過ぎますし、長くいて欲しいものです」