野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
開幕直前恒例! MLB愛好家3人の、
新外国人クロスレビュー(パ編)。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKYODO
posted2014/03/18 10:30
2月、久米島キャンプの練習中にジョーンズ(左)と談笑する楽天・ユーキリス。
家族が『日本に行けるなんて!』と大賛成。
Toyo 「そうそう、トム・ブレイディと義兄弟。ユークがNYヤンキースと契約する時に『ペイトリオッツから、(NYの)ジェッツかジャイアンツに行くなんて考えたことある?』とか聞いたんですよね。クレメンスを始め、元レッドソックスのヤンキース移籍の事例は増えてはいますが、やっぱり選手は心配なんですねえ」
Tessy 「しかし、家族との時間を一番に考えているユークが何故日本に来たんでしょうね?」
Tomo 「家族の事もそうですが、昨年腰の手術をして今季は養生もしっかりしなければならない状態。地元のジャイアンツかA'sの線で検討していたらしいのですが、かつてマネーボールでユークにべた惚れしていたビリー・ビーンGMが首を縦に振らず折り合いがつかない。クリーブランドのフランコーナ監督が熱望してくれましたが、お嬢さんの学校のカリキュラムのこともあり家族をベイエリアに残してクリーブランドへ行くのは忍びない。そんなところに楽天からのオファー。『いや、もっと遠いし!』と思いつつジュリーさんに打診してみると、娘さんともども『日本に行けるなんて素晴らしい経験だわ!』という意外な反応で、ユークは『俺の顔色がバラ色になっちゃったよ!』的な気分で日本行きを決めたそうです」
ユダヤ教選手の安息日“ヨム・キプル”は10月4日。
Toyo 「見かけ通りムードメーカー的な感じですが、ことプレーに関してはマジメ。それでいてかなりの激情家だから、ボストン時代にいつも一言多いバレンタイン監督に“心技とも前よりダメだ”とか言われて大騒動になりましたね。下手したら星野監督とトラブルになる可能性もあるかも」
Tessy 「心配なのは、ユダヤ教の野球選手だと、秋に安息日“ヨム・キプル”がありますからね。調べてみると今年は10月4日。日程だと全試合終了後ですが、雨天中止などでずれ込むと優勝決定戦など大事な一戦で欠場なんてことも……」
Toyo 「かつて1965年のワールドシリーズで、ドジャースのエース、サンディ・コーファクスが、ヨム・キプルを理由に第1戦の先発を拒否した事件が有名ですが、このユーキリスも信仰心厚く、過去に欠場を繰り返しています。多分ゲームを休むと思いますが、温かい目で見守ってほしいです」