フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
史上初団体戦の金メダルはロシアへ。
続いてカナダ、米国……日本は5位に。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph bySunao Noto/JMPA
posted2014/02/10 11:20
五輪初となるフィギュアスケートの団体戦は、会場の異常とも言える大声援を背にロシアが大差で金メダルを獲得した。
プルシェンコは果たして個人戦に出てくるのか?
もっともプルシェンコが2位でも3位でもチームロシアの優勝に変わりはなかったし、町田がトップでもやはり日本はメダルに届かなかった。
31歳で膝の怪我から回復したばかりのプルシェンコが、果たしてあと数日でまたSP、フリーを滑りきることができるのか。体調を理由に彼が個人戦を棄権するのではと予想する関係者は多い。ここでのフリー168.20は、彼の最後の五輪舞台に対するご祝儀では、という声も聞かれた。
プルシェンコが個人戦に出るのか出ないのか、その答えは数日以内にわかる。
個人戦も優勝候補となったリプニツカヤ。
それより驚いたのは、15歳のリプニツカヤに対する気前の良い点数だった。15歳の彼女は初の五輪に委縮することなく、SPもフリーもよく滑った。
だがフリーではほぼ完ぺきな演技だったグレイシー・ゴールドと、リプニツカヤの5コンポーネンツに8点近くもの点差がついたのはなぜなのだろう。ゴールドの5コンポーネンツはすべて7点台に抑えられ、まだジュニアらしさの残るリプニツカヤが8点台後半とは、いくらなんでも高すぎるという印象が拭えない。
これも史上初の団体戦で盛り上がった主催国ロシアに対するご祝儀点のうちなのか。それとも個人戦でもこのレベルの点が出るのだろうか。もしそうなら、リプニツカヤは間違いなく表彰台に上がるし、他の選手のできによっては金メダルも不可能ではない。
ここに来て、15歳の金メダリストが誕生する可能性が現実味をおびてきた。
日本チームは個人戦に向けて再調整へ。
SPを4位で通過、総合5位に終わったチームジャパン。残念なことに、初の団体戦でのメダルはかなわなかった。出場した選手の中で1位だったのはSPで滑った羽生結弦のみで、浅田真央、フリーの町田樹、鈴木明子らはベストな演技を見せることはできなかった。
前日SPで滑った浅田真央は3アクセルで転倒があり、10人中3位。「予想よりもずっと緊張した。自分の滑りが見せられないうちに終わってしまった」と悔しそうな表情を見せた。チーム競技終了後、アルメニアのトレーニング施設に移動して、個人競技へ向けての再調整を図る。