「リアタイヤに優しい」フェラーリが好タイムを記録。

　リアタイヤの脆さは、もうひとつ別の現象をもたらした。それはリアタイヤに優しいマシン、あるいはリアタイヤのコントロールに優れたドライバーに朗報となったことだ。

　それを物語るのが、2日間ともトップタイムをマークしたのがリアタイヤに優しいキャラクターを持つと言われるフェラーリ勢だったことだ。ドライバーでは小林可夢偉とミハエル・シューマッハがポジティブなコメントだったのが印象的だった。ともにリアタイヤのマネージメント能力に優れたドライバーで、テスト後は笑顔で次のように語っていた。

「思っていたよりいいというか、これでレースが戦える」（可夢偉）

「ピレリはフロントが強いから、自分のスタイルに合っている」（シューマッハ）

次回の合同テストは2月。ピレリ用の新車はどうなる？

　2日間の合同テストを終えたピレリは、12月にトヨタF1の車体を使用したプライベートテストをバーレーンで行い、現在は2011年に向けた最終的なスペックの調整に入っている。また各チームは合同テストで得たデータに沿って、ピレリタイヤに合わせた新車を現在、製作している。

　次回の合同テストは2月上旬のスペイン・バレンシア。

　果たして、どんなタイヤをピレリが持ち込み、各チームがどんな新車を用意してくるのか。2011年へ向けての戦いの火ぶたは、すでに切られている。