詳説日本野球研究BACK NUMBER

最新の高校生ドラフトの分析から、
早くもセンバツ注目校が見えてきた! 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/12/20 10:30

最新の高校生ドラフトの分析から、早くもセンバツ注目校が見えてきた!<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

日大三のエース、吉永健太朗は182センチの長身から投げ下ろす140キロ台後半の直球と多彩な変化球が魅力。今年夏の西東京大会では準決勝で日大鶴ヶ丘に敗れ涙を飲むも、11月の明治神宮大会ではチームを優勝に導く原動力となった

 前回は2011年ドラフトの有力大学生候補を取り上げたが、今回はもう1つの大きい勢力、高校生を見てみよう。

 その前に'06~'10年までの5年間で、どの県の高校生が多く指名されたのか調べてみた。ベスト10の顔ぶれは次の通りだ。

◇1位 大阪13人 ◇2位 神奈川、福岡10人 ◇4位 千葉、愛知9人 ◇6位 北海道8人 ◇7位 東京、岡山7人 ◇9位 埼玉6人 ◇10位 三重5人……以下、茨城、広島、大分、宮崎、沖縄の各4人と続いていく。

 大きいマスで見るとどうなるのだろう。地区別で調べてみた。

◇1位 関東(8都県)38人 ◇2位 九州(8県)28人 ◇3位 近畿(6府県)22人 ◇4位 東海(4県)20人 ◇5位 中国(5県)13人 ◇6位 北信越(5県)10人 ◇7位 北海道(1道)、東北(6県)8人 ◇9位 四国(4県)4人

 1県あたりの平均では――◇1位 北海道8.0 ◇2位 東海5.0 ◇3位 関東4.75 ◇4位 近畿3.67 ◇5位 九州3.5 ◇6位 中国2.6 ◇7位 北信越2.0 ◇8位 東北1.33 ◇9位 四国1.0――となる。

充実ぶりが目立つ北海道、東北の高校球児たち。

 この5年間で指名された主な選手は次の通りだ(年度はドラフト指名年、その横の【 】内数字は指名順位)。

◇北海道……田中将大(駒大苫小牧→楽天'06年【1】)
◇東北……坂本勇人(光星学院→巨人'06年【1】)、佐藤由規(仙台育英→ヤクルト'07年【1】)
◇関東……増渕竜義(鷲宮→ヤクルト'06年【1】)、唐川侑己(成田→ロッテ'07年【1】)、菊池保則(常磐大高→楽天'07年【4】)、大田阿斗里(帝京→横浜'07年【3】)、筒香嘉智(横浜高→横浜'09年【1】)、中村勝(春日部共栄→日本ハム'09年【1】)
◇東海……堂上直倫(愛工大名電→中日'06年【1】)、田中健二朗(常葉菊川→横浜'07年【1】)
◇近畿……前田健太(PL学園→広島'06年【1】)、中田翔(大阪桐蔭→日本ハム'07年【1】)、浅村栄斗(大阪桐蔭→西武'08年【3】)
◇中国……上田剛史(関西→ヤクルト'06年【3】)、中田廉(広陵→広島'08年【2】)
◇四国……秋山拓巳(西条→阪神'09年【4】)
◇九州……大嶺祐太(八重山商工→ロッテ'06年【1】)、赤川克紀(宮崎商→ヤクルト'08年【1】)

 北海道、東北は数こそ少ないが大物が揃って近年の充実ぶりをうかがえる。関東、近畿は質・量ともプロへの供給源と言われるに相応しい顔ぶれが並んで壮観だ。

【次ページ】 優勝候補の筆頭は秋の明治神宮大会優勝校・日大三。

1 2 3 NEXT

高校野球の前後の記事

ページトップ