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<開幕前に引退発表した理由> 大畑大介 「みんなと一緒にカウントダウンを」
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byKenji Demura
posted2010/12/17 06:00
センチメンタルとは全くの対極にあった。輝かしいキャリアにピリオドを
打つ今季。微塵の悲愴感も漂わせず、むしろ笑顔さえ浮かべながら、
最後の戦いを存分に満喫している。稀代のトライゲッターが、
ラストシーズンに懸ける思いを余すところなく語った。
打つ今季。微塵の悲愴感も漂わせず、むしろ笑顔さえ浮かべながら、
最後の戦いを存分に満喫している。稀代のトライゲッターが、
ラストシーズンに懸ける思いを余すところなく語った。
「今シーズンで現役を引退します」
大畑大介がそう発表したのは、今季のトップリーグ開幕を控えた8月31日だった。
京都産業大学3年の1996年に初めて日本代表入り。初キャップの韓国戦で3トライのハットトリック・デビューを飾って以来、常に日本ラグビーのトップランナーとして走り続け、テストマッチ通算69トライの世界記録まで樹立。'07年には両足アキレス腱断裂、復帰した'08年度にも肩の骨折など、幾多のアクシデントに見舞われながら、そのたびに不屈の闘志で復活してきた。
35歳を迎えた今季も、プレーに衰えは見えない。本来のWTBからCTBにコンバートされ、ボールを持ってロングゲインする機会こそ減ったが、背番号13を背負ったフィニッシャーは連続タックルでピンチの芽を摘み、密集でのボール争奪に身体を張り、トライチャンスをセットアップする。序盤は一時12位に低迷しながら、1カ月のリーグ戦休止期間を挟む4連勝で5位まで復調(第8節終了時)した神戸製鋼にあって、今季で引退を公言している35歳は、驚異的なワークレートでチームを支えているのだ。
――突然の引退発表から3カ月経ちました。反響はいかがですか。