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ヘルタの舵取りを託された細貝萌。
勝敗を背負う“覚悟”が変えるもの。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2013/10/03 10:31
昨年2部で優勝して1部に昇格したヘルタは現在5位と好スタートを切った。細貝もアウクスブルク時代の恩師であるルフカイ監督のもと、中心選手としてプレーしている。
自らの成長に、チームの成長を背負って。
「やっぱり、レバークーゼンのように試合にあまり出ていないでベンチにいるときは、ここで(ボランチの選手が)前に行ったらいいのにと思うだけで終わってしまっていました。プレーすることがなかったので。でも、今は、チームの雰囲気だったり、流れというのを読みながら、ピッチ上でそれを表現することが出来るんです」
守備だけではない。攻撃にも絡んでいく。細貝はボランチが自らのポジションだと語る。ボランチはポルトガル語で舵を意味するが、その言葉通り、細貝がチームの攻守の舵とりをしているのだ。だからこそ、その責任も強く感じている。
「自分を評価してくれているからこそ、監督はボランチで使ってくれていると思う。しっかりとチームをまとめることもそうだし、チームを引っ張っていくことを常に頭の中に入れてプレーしていきたいです」
細貝はプレーヤーとして成長できると思い、ヘルタを選んだ。そして今、細貝は自分がチームの勝敗の行方を担う選手である、という覚悟と責任感を持っている。
日本から遠く離れたヨーロッパで成長物語を紡ぐのは楽しいことだ。そして自らの成長だけでなく、チームの成長にも責任を感じてプレーすることの出来る幸せはいかばかりだろうか。