メディアウオッチングBACK NUMBER

ブンデスリーガ選手名鑑、
熾烈なる市場戦線に迫る。
~媒体の競争が生む、充実の誌面~ 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

PROFILE

photograph byItaru Chiba

posted2013/09/02 06:00

ブンデスリーガ選手名鑑、熾烈なる市場戦線に迫る。~媒体の競争が生む、充実の誌面~<Number Web> photograph by Itaru Chiba

活況を呈するブンデスリーガを象徴するかのように、多くの媒体が選手名鑑を発売している。

ブームのあおりを受け、老舗2誌の付録が年々豪華に!

 さらに、『Transfermarkt.de』が夏の移籍を網羅した完全版を9月初頭に発行するようになってから5年目を迎える。

 今ではドイツの書店に足を踏み入れれば、名鑑で占拠された棚が目に飛び込んでくる。

 近年のブンデスリーガの盛り上がりと、2010年の南アフリカW杯以降のドイツ代表の躍進は、選手名鑑の充実ぶりにも表れている。

 もっとも、後発で名鑑を発行し始めた媒体は、各チームの選手名一覧などが『キッカー』誌のデザインを真似したものがほとんどで、記事の内容も独自性に乏しい。

 しかし、このブームは読者に思わぬ恩恵をもたらした。

 選手名鑑ブームのあおりを受け、差別化を図るために、老舗2誌の付録が年々、豪華なものになってきているのだ。

 今シーズンに至っては、足並みをそろえるかのように、DVDを付録につけた。『キッカー』誌はブンデスリーガ50周年を記念して、過去のハイライト映像集を特典に。対する『スポーツビルト』誌は昨シーズンのベスト100ゴールの映像を用意した。

 老舗の2誌が行なっている、移籍市場が閉まったあとのフォローアップや付録のDVDなどは、日本のメディアが手がければ、ファンが喜びそうなアイデアだ。

 ピッチの上だけではなく、ピッチの外からサッカーを盛り上げるためのこうした仕掛けは、Jリーグと日本サッカーを扱う側にとっても、大いに参考になるのではないだろうか。

BACK 1 2

海外サッカーの前後の記事

ページトップ