沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
競馬の世界にもアベノミクス効果!?
セレクトセールに見るターフの未来。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byJRHA
posted2013/07/13 08:01
2億4000万円で落札されたアゼリの2013(左)。落札した(有)デスクバレットの田辺滋久氏は「国内のGIレースを目指す」とコメントした。
外国人が日本馬を求めて続々参入の理由とは?
今回、日本進出を狙う新勢力として話題になっていたのが、潤沢なオイルマネーを背景に持つカタールのファハド・アル・サーニ殿下の一行だ。
首長のいとこにあたる殿下は、初日にピンクパピヨンの2012(父キングカメハメハ)を9000万円で落札するなど、2日間で5頭を購入(名義は代理人のデヴィッド・レッドヴァーズ氏になっている)。現在、JRAの馬主登録の申請を準備している段階で、順調なら年内には認可されるようだ。
JRAでは'09年秋から国外に居住するオーナーも馬主登録できるようにしており、昨年JRAの馬主となったオーストラリアの鉱業王ポール・ファッジ氏もアートプリンセスの2012(父タピット)を8000万円で落札。
香港の投資家、張一達氏もガヴィオラの2012(父ネオユニヴァース)を4800万円、アドマイヤヒラリーの2012(父ゴールドアリュール)を2700万円で落札するなど、外国人による積極的な購入が見られた。
「賞金大国・ニッポン」のビッグレースを制する可能性が最も高いのは、当然ながら日本産馬である。外国人の富豪がJRAの馬主となり、良質な馬を円安の恩恵で安く買って、高い賞金を得ようとする動きは、今後ますます活発化しそうだ。
スタージョッキーや有名人馬主の姿が花を添える。
会場には武豊騎手をはじめとするスタージョッキーや、元メジャーリーガーの佐々木主浩オーナー、そしてなぜかプロゴルファーの青木功選手の姿もあった。
裏舞台であっても華やかである。
ここでお披露目を済ませた馬たちが、来年や再来年のターフをどんなふうに賑わせ、より華やかにしてくれるのか、楽しみに待ちたい。