野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
サザンオールスターズと山本昌──。
茅ヶ崎が生んだ奇跡のおじさん達。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNaoya Sanuki/JIJI
posted2013/07/01 11:00
茅ヶ崎市民栄誉賞の歴代受賞者には、山本昌以外には、俳優の加山雄三、宇宙飛行士の野口聡一と土井隆雄、テニスの杉山愛らがいる。
清原に長渕がいたように、昌さんには桑田がいる。
「しかもAKB世代の若者からも支持されているのはどうしてなのか。その理由は簡単。2人ともスケベだから。あくまで追求心や探究心がいくつになっても衰えないという意味で、ですよ。
御年48歳になろうとしている昌は今もあくまでも直球にこだわり、進化を求めてピッチングフォームをいとも簡単に変えていく。桑田は桑田で日本から歌謡曲を絶滅させたくないのでしょう。そんなこだわりをもって、再びサザンオールスターズという戦艦のエンジンを動かした。『年々球が速くなっている気がする』という昌。『再会を祝してオッパイ!』とあくまでも己を貫く桑田。素敵です。カッコいいですよ。2013年の夏もこのオヤジどもはエキセントリックにはしゃぎ回ってくれるでしょう」
5年ぶりの復活を宣言したサザンの桑田佳祐、そして今なお先発ローテとして存在感を示す山本昌。表立った接点こそないものの、古き良き昭和の香り漂わせる2人が、今この時代でも最前線で戦い続ける姿には、やはり本物の魂を感じる。瀬戸さんは言う。
「昌さんは、今回のサザンの復活を受けて『またサザンが茅ヶ崎市民球場でやってくれるんだ。地元を盛り上げてくれて本当に有難いですね』と喜んでいました。今年はここまで3勝を挙げていますし、昌さんには是非とも二桁勝利を果たしてもらい、ドラゴンズを優勝に導いてほしいですね。そして、とにかく1年でも長く現役を続けて欲しいです……けど、いつか、そういう日が来たら、清原選手の時に長渕さんが来てくれたように、桑田さんが昌さんのために……なんてことを茅ヶ崎市民としては妄想してしまいますね」
この夏は昭和の奇跡を巻き起こす2大おじさんに注目!
そんなこともファンの思いなら、
「それは期待できますよっ! 昌の引退セレモニーには背番号18がついたジャイアンツのユニフォームを着て、始球式ならぬ終球式に駆けつけて欲しいものです。そして見事な空振りで最後を締める。いいですね。ただ、まだまだその時は早いですよ。僕はサザンの『夕陽に別れを告げて~メリーゴーランド』。あれを聞くと、何があっても明日はいいことがあるだろうとチャリンコをこいでナゴヤドームではなく昭和の哀愁を帯びたナゴヤ球場を後にする昌が目に浮かび、涙がこぼれちゃうんです。明日を夢見るマサにピッタリな歌。もうひと花もふた花も咲かせて欲しいですね」(竹内さん)
こんなものもファンの思い。
長く活動を続けるということは、それだけファンの数も多く抱えているということ。いろんな人の思いを乗せて、この夏、復活を遂げる2人の偉大なるおじさんに注目したい。