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遠藤保仁が2014年W杯出場宣言!
「ブラジルまで4年間、バリバリやる」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2010/09/13 10:30
「経験豊富で一流の選手を見てきたと思うので、どういう指導をするか楽しみ」とザッケローニ監督への期待を表明した遠藤
「成長しなきゃブラジルには行けないからさ」
ゴールを決めることと同時に、ゴールへの確実性を高めることが遠藤にとっては、重要なことなのだ。それを見せてくれたのが、Jリーグの復帰戦となった7月18日の浦和戦だった。3-2でガンバ大阪が勝利したのだが、遠藤は3点すべてに絡んだ。
1点目は、自分よりも確実にシュートを打てる宇佐美貴史に絶妙なアシストをした。2点目は遠藤がアウトサイドで蹴ったボールが山田暢久のヘディングによるクリアーからオウンゴールになった。そして、ロスタイムでは、武井拓也のクロスをイ・グノが落とし、後から走り込んできた遠藤が決勝ゴールを挙げた。それは、南アフリカW杯決勝で決勝ゴールを上げたイニエスタのようだった。
「決めれたのは良かったけど、やり続けていかないと意味がない。今シーズンは15ゴールぐらい決めたいと思っているからね。そのためには個人のレベルを上げるのはもちろんだけど、ガンバ自体のチームのレベルを上げていくことも重要。そこで意識しているのが、パススピード。日本人がよくトラップが下手とか言われるけど、それはパススピードに慣れていないから。パススピードやプレーするスピードが上がれば一時的にプレーの精度が落ちるけど、そのまま継続していけば自然と身に付くと思うんだよね。だから、俺はチームで、それを続けていく。成長しなきゃブラジルには行けないからさ。チームにも厳しく、自分にも厳しくやっていくよ」
「真司はドイツに行ってから意識がすごく変わった」
パラグアイ戦後、決勝ゴールを上げた香川真司が大勢の報道陣に囲まれている。遠藤は、今シーズンからドイツの名門ドルトムントで活躍する若武者のプレーを称賛した。
「真司はドイツに行ってからそんなに時間が経過していないけど、意識がすごく変わったね。ゴールを狙う姿勢が強くなった。それって大事なことだよ。俺もW杯で思ったけど、やっぱり世界で評価されるのはゴールだからね。真司を始め若い選手から刺激を受けつつ、俺も点の取れる、点に絡む選手としてもっと成長していきたい」
9月の代表戦2試合は、高見の見物に終わった。だが、10月のアルゼンチン戦、韓国戦では、もちろんピッチに立つ決意でいる。ザック日本代表のデビュー戦となる重要なゲームで、遠藤が果たす役割は、どんなものか。かつて、岡田武史前監督から絶大な信頼を得たように、ザックの信頼を勝ち取ることはできるのか。
2014年、ブラジルW杯に向けて、遠藤の椅子取りゲームが本格的に始まる。