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「人類最速」チャプマンの
緻密なデビュープラン。
~ストラスバーグとの明暗~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byYukihito Taguchi
posted2010/09/22 06:00
9月1日にはデビュー2戦目にして初勝利。1イニングを2奪三振パーフェクトに抑えた
8月31日、レッズの左腕アロルディス・チャプマンが、メジャーデビューを果たした。昨夏、キューバから亡命。1月にレッズと6年契約を結び、今季はマイナーで調整を続けてきた。昇格直前の27日には、3Aルイビルで105マイル(約169km)を計測。「人類最速」の肩書を引っ提げて登場し、2試合目には早くも初勝利を挙げた。ロースター枠が拡大される9月1日ではなく、その1日前に昇格したのも、プレーオフに出場できる条件として、8月末までにメジャー登録する必要があるからだった。
才能溢れる若い選手をデビューさせるタイミングは、実は難しい。単に経験を積む目的だけであれば、9月以降で十分である。だが、主力として起用する場合、過酷な戦いに耐え得る体力を備えているかを見極める必要が出てくる。実際、6月に昇格したナショナルズのストラスバーグは、デビュー直後こそ快投を続けたものの、8月21日にマウンド上で違和感を訴えて降板。9月3日に「トミー・ジョン」と呼ばれる右ヒジ靭帯の再建手術を受け、来季の登板は絶望的となった。