青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
今季メジャー挑戦の総決算。
石川遼は何を得て何を失ったのか?
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byKYODO
posted2010/08/22 08:00
全米プロゴルフ選手権で最終の18ホールに向かう石川遼。開催コースとなったウィスリングストレイツは1000近いバンカーの数で有名な難コースであった
練習法も心構えも、原点回帰が必要な時期がやってきた。
帰国した石川はすでに考えを固めていた。
「まずは素振りですね。1日500~1000回はやりたい。今まではいい試合をしても悪い試合をしても、ことあるごとにひたすら素振りをして上達してきた。素振りは一番自分の理想が実現できるスイング。少しでも理想のスイングに近づきたい」
1つ1つの課題に対処するのではなく、常に理想を見すえて成長してきた石川は、本来の姿に立ち返る道を選んだ。原点回帰は練習法だけではない。
「去年は常に上達することを求めて試合に出てたのに、全米プロが終わってから、今年は結果を求めすぎていたと思った。中日クラウンズ以来優勝争いができてなくて、自信を失いかけてるとは思うけど、それも結果を求めすぎてる証拠。ネガティブになるんじゃなくて、自然とポジティブに物事を捉えられた去年の精神状態を取り戻していきたい」
アプローチの練習もパッティングの練習ももちろんやる。しかし、それらは正しいマインドセットがあってこそ最大限の効果を発揮するもの。抽象的かもしれないが、石川はそう答えを出した。
理想の追求を1年後に現実的な武器に変えられるかどうか。その成否はこれから始まるシーズン後半戦での取り組みに懸かっている。