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2年目の大器とライバル物語。
~ハーパー&トラウト、伝説の相似~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byGetty Images

posted2013/05/04 08:01

2年目の大器とライバル物語。~ハーパー&トラウト、伝説の相似~<Number Web> photograph by Getty Images

ともに昨年ブレイクしたハーパー(左)とトラウト。今季ここまでの成績は明暗が分かれているが……。

不調のナショナルズ打線でハーパーがひとり気を吐く。

 そして2013年――。

 眼をみはるような開幕ダッシュを見せたのは、ハーパーだった。

 チームの開幕戦(対マーリンズ)で1試合2本塁打を放った(これも史上最年少)のを皮切りに、25試合の成績が.356/.437/.744。加えて、本塁打9本、打点18。気が早いかもしれないが、MVPの有力候補に挙げられてもおかしくない。

 この好調は、昨年9月から持続されてきたものだ。2012年、ハーパーの8月の成績は.243/.292/.456にとどまっていた。19歳の新人としては悪くない数字だが、傑出したものとはいいがたい。ところが、9月から10月にかけて彼は一気に化けた。.330/.400/.643と飛躍し、今季の絶好調へと結びつけたのだ。

 ラローシュやジマーマンといった主力打者がさっぱり打てないナショナルズ(チーム打率も2割3分台で、大リーグ全体の24位だ)にあって、ハーパーの好調は最大の救いだ。これだけ打てないのに勝率5割をキープし、ナ・リーグ東地区の2位につけているのは、投手陣の踏ん張りあってのことだが、これで打線が復活すれば、ポストシーズン進出は当然視野に入ってくる。

スランプに陥るトラウトだが守備と走塁には翳りなし。

 一方の大器トラウトは、チームも当人もいまのところ苦しんでいる。25試合を経過したところで、エンジェルスは9勝16敗。トラウト本人も、25試合に出場して.252/.322/.402、2本塁打という不本意な成績にとどまっている。プーホルスやハミルトンの不振に引きずられている部分もあるだろうが、パワーヒッターではないトラウトだけに、スランプ脱出は意外に早くやってくるのではないだろうか。

 楽観的になる理由は、彼の好守と好走塁に翳りが見られないことだ。守備と走塁にスランプがない以上、彼はちょっとしたことできっかけをつかむだろう。看板の投手陣がパッとしないだけにチーム全体の浮上はむずかしくなってきたが、トラウトの柔軟性を見くびってはならない。あのメイズも、朝鮮戦争に応召した年は、34試合で2割3分6厘の低打率しか残せなかった。トラウトとハーパーのライバル物語は、できれば20年近いスパンで観察していきたいものだ。

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