南ア・ワールドカップ通信BACK NUMBER
スペインの「エレガント」が頂点に!!
誤審とファウルにまみれた決勝戦。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byGetty Images
posted2010/07/12 12:40
「より攻撃に優れたチームが、勝つべきだから」
今回のW杯は大会が進むにつれ、「守備的なチーム」が淘汰され、「攻撃的なチーム」がベスト4のうちスペイン、オランダ、ドイツと3チームを占めた。ただ、攻撃の哲学はチームによってやや異なり、スペインは「エレガント(華麗)」、オランダは「エフェクティブ(効率)」に重点を置いていた。
だから、今回の決勝を一言で表すとこうなる。
エレガントが、エフェクティブに勝った、と。
試合前、オランダの英雄ヨハン・クライフはこう言っていた。
「私はオランダ人だが、スペインに勝ってほしい。より攻撃に優れたチームが、勝つべきだから」
クライフはオランダでTVを見ながら、母国が敗れたという一抹の寂しさと、自らがサッカー哲学をもたらした国がW杯を勝ったという達成感を、同時に味わっていたに違いない。