南ア・ワールドカップ通信BACK NUMBER
最強の敵に最高の内容で勝つ!
スペイン・サッカー、満開の夜。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byFIFA via Getty Images
posted2010/07/08 11:10
エジルを起点にドイツが得点機を作ったのだが……。
69分、左に流れたエジルからもらったボールをポドルスキが逆サイドにパス。これをクロースが完全にフリーでシュート。この試合初めてのドイツらしい攻撃だった。が、残念ながらカシージャスが見事な反応でストップする。
その4分後、スペインはシャビがコーナーキックを蹴った。このボールがちょうどペナルティスポット辺りに飛んでいくと、走り込んできたプジョルが髪を振り乱して方向を変えた。
ゴール!
ドイツに何もさせなかったスペインは、得点まで敵のお株を奪うヘディングという形で決めてしまった。
点差は最少の勝利だったが、完璧な内容だったスペイン。
リードされたドイツはようやく攻勢に出るが、スペインはビジャをトーレスに替えてカウンターを狙う。結局そのまま時間は流れ、3分のロスタイムが終わったところでレフェリーは笛を吹いた。
今大会最強の敵を前にして、今大会最高の試合をやってのけたスペイン。点差は最少の勝利だったが、内容は完璧に近かった。
マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたシャビは「ドイツの守備はとてもしっかりしていたけれど、ゲームを支配していたのは僕ら。素晴らしい試合だった」と胸を張り、「決勝を前に自信が大きく増した」と笑っていた。