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伊東勤、ロッテ監督就任の衝撃。
60年前の恐怖の因縁、復活か!? 

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村瀬秀信

村瀬秀信Hidenobu Murase

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photograph byKyodo News

posted2012/12/17 10:30

伊東勤、ロッテ監督就任の衝撃。60年前の恐怖の因縁、復活か!?<Number Web> photograph by Kyodo News

ロッテ監督就任にあたって「日本一を勝ち取れるチームを作る。派手さは不要、守り勝つ野球をやりたい」と語った伊東氏。重光昭夫オーナー代行は「我々、千葉ロッテマリーンズも目指すべきは常勝チームを作り上げることです」と言葉を添えた。

最大の功労者が切り捨てられた、'07年の監督解任劇。

 '07年は伊東氏が入団以来25年続いていたライオンズの連続Aクラスが途切れ、5位に転落した年である。それだけでなく、'04年に堤氏が退任してフロントは刷新、裏金問題などの問題も起き、'08年からは「埼玉西武ライオンズ」を名乗り出し、そのオフにはユニフォームがライオンズブルーからレジェンドブルーに変わると発表されるなど、球団が生まれ変わるべく様々な試みを始めようとしていた時期でもあった。

 球団として非常に重要なそんな時期に、常勝西武ライオンズ最大の功労者であり、伝統の守り人を自任していた伊東氏が“古い物”としてチームを追われたという思いたるやいかばかりか――。

 その後、監督候補として幾度か名前は挙がるものの、日本球界復帰とは縁がなく、第2回WBC、韓国斗山でのコーチを経験し、やっと迎えた監督復帰。しかも日本球界のパ・リーグという檜舞台。入団会見の「正直、日本の監督として復帰したいという頭はあんまりなかった」との言葉は嘘か真か。

伊東vs.渡辺vs.秋山……西武出身監督の三つ巴が熱い!

 一方、生まれ変わった新生「埼玉西武ライオンズ」はかつてバッテリーを組み、伊東監督の下では二軍監督だった渡辺久信氏が監督に就任。中村、栗山などが台頭し、監督就任1年目で日本一に輝くと、チーム運営も、より地域色を強く打ち出したものに代わり、先月28日には胸に輝く「Saitama」の文字、右肩にきらめく埼玉県章がつく来季のサードユニフォームが発表された。

 これを見て、思い出されるのは、今季「Thanks 20 years “ALL for CHIBA” シリーズ 」を行い、そこに登場したマリーンズの「CHIBA」ユニフォーム。それを踏まえてか、西武・渡辺監督も「埼玉vs.千葉とか面白いかなと思う」とこの因縁の対決を煽るような発言である。

 西武vs.ロッテという過去からの因縁は、千葉vs.埼玉という地域競争、そして打倒西武に燃える“伊東勤”vs.新たな西武の歴史を刻みはじめた“渡辺久信”というバッテリーの因縁も相俟って、益々面白くなる。

 ちなみに西武・ロッテとも福岡にも浅からぬ因縁があるわけで、この両者の対決にこれまたホークス秋山監督が加われば、西武三つ巴の三都物語。ハワイで傷心の森祇晶元監督もいきり立たずにいられない、来シーズンのパ・リーグの戦いが今から楽しみでしょうがない。

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