南ア・ワールドカップ通信BACK NUMBER
あのワールドユースから5年……。
本田圭佑とクインシーの明暗。
text by
浅田真樹Masaki Asada
photograph byAction Images/AFLO, FIFA via Getty Images
posted2010/06/16 11:10
5年前のユース優勝国アルゼンチンを率いていたメッシ。
5年前、アルゼンチンをU-20世界一に導き、自身でも大会MVPと得点王を獲得したリオネル・メッシは、もはやワールドカップの主役を務めるまでに成長した。バルセロナでUEFAチャンピオンズリーグを制し、昨年はバロンドールも獲得。その順調な歩みは、いまさらここで紹介するまでもないだろう。
また、5年前に続き、この日もアルゼンチンの前に屈したナイジェリアに、U-20ナイジェリア代表で中心だったジョン・オビ・ミケルの姿が見られなかったのは残念だが、タイエ・タイウォは当時と変わらぬポジション、プレースタイルでピッチに立っていた。彼の代名詞でもある豪快なミドルシュートを放った瞬間、足がつって、そのまま交代してしまうあたり、実にタイウォらしかった。
クインシーの引き立て役だった本田がW杯で大活躍!!
さながら、話は同窓会の様相を呈してきたが、もちろん、日本選手も例外ではない。
5年前はU-20日本代表のボランチとして、クインシーの完全なる引き立て役となっていたのは、本田圭佑である。
その後、因縁の国オランダに成長の場を求めた本田は、くしくもクインシーと入れ替わるようにロシアへ移り、まるでクインシーとは対照的に、ワールドカップで貴重な決勝ゴールを叩き出した。立場は逆転。そう言い切って差し支えあるまい。
2010年。かつて20歳以下の世界大会で覇を競った選手たちは、それぞれの道のりを経て南アフリカに集っている。