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“新旧悪童コンビ”不在のアズーリ、
EURO準優勝国のプライドはどこへ?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2012/10/17 10:30
EURO2012準決勝ドイツ戦。カッサーノ(左)が巧みな反転からあげたクロスをバロテッリが頭で合わせて先制し、ドイツの気勢をそいだ。写真は2点目をあげたバロテッリを祝福するカッサーノ。2人のバッドボーイズの存在感はあまりにも大きかった。
主将ブッフォンも渇望する、新世代アズーリの台頭。
やや性急にも思えた若手の積極登用も、21歳のFWデストロがマルタ戦の先制点となるA代表初ゴールを決めるなど、徐々に形となって現れてきている。CLの大舞台でも臆することないエジプト2世のFWエルシャーラウィ(ミラン)や“ピルロの正統後継者”MFベッラッティ(パリSG)はまだ10代。悪童バロテッリも真のエースFWへの“独り立ち”を期待されている。彼ら新世代アズーリの台頭は現在の主力たちも望むところだ。
主将ブッフォンは訴える。
「イタリアの若手に早く伸びてきてほしい。来年のコンフェデレーションズ杯も真剣に挑むべき大会だし、2014年はそう遠い話じゃないんだ」
10月の連戦は、内外の批判を受けての試金石となっていた。批判続きの現状でも結果は出す。内容が伴わなくとも勝ち点は奪う。もともとアズーリはしぶといチームだ。
調子っ外れのイタリアは、次の試合でリズムに乗れるようになるのか。晩秋11月の親善試合フランス戦に注目しない手はない。