野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
落合博満氏の講演会に潜入――。
オレ流発言から考えるWBC監督問題。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byHideki Sugiyama
posted2012/09/14 10:31
中日監督時代の落合氏。次にユニフォーム姿が見られるのはいつの日か。
先月の30日、筆者の故郷である茅ヶ崎にて、シンガーソングライターのaikoがフリーライブを行ない大盛況のうちに幕を閉じたそうだ。まったく関係ないが、その1週間後、筆者は津田沼にてaikou氏(元ロッテ、中日)の取材をしていたのだが、その合間にふと彼がWBCの監督候補について言及していた。
話題の中心となったのは、ロッテ時代に打者転向を勧めてくれた恩人であり、師と仰ぐ落合博満氏、その人のことである。
「今はWBCの監督に名前がやけに出てくるけど、あの人は絶対にやらないよ。オチさんと麻雀をやった人ならわかると思うけど、あの人は勝つ麻雀をやるわけじゃない。絶対に負けない麻雀を打つんですよ。場を見ながら50点、100点までしっかり計算して、引かなきゃならないところはしっかり引いて、“ここ”というところで勝負をかける。ドラゴンズの監督時代もそうでしょ。開幕戦から144試合目を見て戦えるのはオチさんぐらい。対戦相手を見て長期的な戦いをやらせたら右に出るものはいないでしょうね。ただ、やっぱり短期決戦は相手が読めないからねぇ。オチさんは知ったかぶったようなことは絶対に言わない人。日本シリーズでロッテに負けた時に『なんで負けたかわからない』と言ってたし、今回もやらないと公言しているんだから、要請があったとしても絶対に受けないだろうね」
落合氏がパワプロで選んだ、個性的なクリーンナップ。
そんな話を聞いた後、やはり「WBC落合監督」は実現しないのだなと、少し寂しい気持ちを抱えながら乗った総武線。日本最強のメンバーを集めることができるWBCで、落合氏が誰を選び、どのような戦略で短期決戦を戦うか。参考にはならないだろうが、パワプロのプロモーションで福嗣くんと戦った落合氏が選んだメンバーが非常に個性的(3番内川・4番金本・5番小久保のクリーンナップ)だっただけに、是非とも拝んでみたかったのだが……と、そんな思いが尽きないまま、向かった先は渋谷。
そこでは、落合博満氏の講演会が行なわれていた。