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まだまだ続く豊作の“斎藤世代”。
巨人の秘密兵器、小山雄輝の反骨心。 

text by

氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byKyodo News

posted2012/09/12 12:30

まだまだ続く豊作の“斎藤世代”。巨人の秘密兵器、小山雄輝の反骨心。<Number Web> photograph by Kyodo News

「(澤村に)追いつきライバルになれたらとは思う。2人でチームの勝ち星を増やしたい」とシーズン前に語っていた小山。2勝目を挙げた小山に原監督は「今休んでいる澤村と互角に競い合える」とコメントしている。

ローテーションをつかむまで、まだ厳しい戦いは続く。

 チーム内での厳しいローテーション争いは、これからも続く。

 彼にチャンスが与えられたのは、杉内俊哉やゴンザレスの離脱があったからでもあった。

 実際今季も、杉内の復帰が決まると、先発の次の登板が中継ぎになったことがあった。ローテーションをつかんだというチーム内ポジションになるまでにはまだ時間がかかる。

「チャンスもくれますけど、見切られるのも早いんで、そこは危機感を持ってやっています」と小山は言う。

 9月5日の阪神戦では先発して崩れたルーキーの江柄子裕樹の後を繋ぎ、中継ぎとしてゲームを立て直す好投を見せた。そして9月11日の広島戦で再び先発に返り咲く。この試合では、9連戦の先陣を切る、見事な快投を見せてくれた。

 彼の野球人生を振り返ると、反骨心が彼を支えてきたことは間違いないはずだ。結果が出ても笑顔を見せず、鋭い眼差しでインタビューに答える彼の姿を見るたび、そう思うのだ。

「去年は斎藤や澤村、福井さんが活躍しました。大石達也(西武)も開幕一軍にいて、僕らの世代はすごく盛り上がった。そして、今年は大野君がローテに入って活躍しているんで、『斎藤世代ってまだいい選手いたんや』ってなっていると思う。大野君に続いて、自分も結果を残していきたい」

 田中、前田健、坂本、斎藤、澤村、大石。

 それに続こうとする大野、塩見、秋山そして、小山。

 主役の一人・斎藤の居ぬまに、また一人、球界を揺るがそうとするピッチャーが誕生した。

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