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明徳義塾、馬淵采配で10年ぶり4強!
倉敷商・西のシンカーを封じた秘策。
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2012/08/21 17:10
選手に指示を送る明徳義塾・馬淵監督。1992年には、星稜4番の松井秀喜を5打席連続敬遠し、話題を呼んだ「馬淵采配」だが、今回もストレート狙いを徹底させるなど、その独自の采配が際立った。
'92年は松井5連続敬遠、'02年は優勝。'12年は……?
倉敷商の地元、岡山県の名産は桃だ。しかも、倉敷商の応援団は、7回に「桃太郎サンバ」という応援歌を大合唱する。そのため、明徳ベンチの向かい側、ライト方向のアルプススタンドには、帽子やTシャツなどピンク色のものを身に付けている人たちがいっぱいいたのだ。
「倉敷商の応援スタンドを見たら、いっぱいおった(笑)」
明徳義塾は、そんな運も味方につけ、全国制覇を遂げた2002年以来、10年ぶりの四強入りを決めた。
「1992年は、5敬遠(星稜の4番・松井秀喜を5打席連続敬遠する)でぼろくそに言われて、その10年後に優勝した。明徳は10年周期で何かあるんよ。だから、今年はおもしろいよ」
高知大会で優勝した直後に語った馬淵の言葉が、現実味を帯びてきた。