野球善哉BACK NUMBER
大阪桐蔭を倒した大金星よ再び!
天理が生まれ変わって、運命の対決。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byHideki Sugiyama
posted2012/08/19 19:00
センバツでは腰を骨折し、2カ月以上の治療を経て復活した天理のエース中谷佳太(右)。帽子のつばの裏に3年生部員全員の名前を記して、力投を続ける。
対外試合禁止処分明けの最初の試合も大阪桐蔭だった。
昨夏、天理は不祥事のため対外試合禁止処分を受けている。
長く表舞台からは遠ざかっていたのだが、対外試合禁止の処分が明けたあと、最初の練習試合をしたというのが、大阪桐蔭なのである(結果は引き分け)。大阪桐蔭の部長・有友茂史は天理高出身で、その縁で実現した。
これも何かの因果なのかと木田準也コーチは笑う。
「うちのチームと分岐点でいつも対戦しているんですよね、対外試合禁止が明けたあとの最初の試合が大阪桐蔭でした。センバツを懸けた昨年秋の近畿大会準々決勝もそうでしたし。今回も、甲子園の準々決勝であたるなんてね」
その分岐点とは果たして―――。
最後の試合になるのか、優勝後に振りかえる試合となるのか。
チームを代表して主将の船曳が大阪桐蔭戦へ意気込む。
「自分らは後がない状況で戦ってきて、勝ち上がって来れた。だから、自分たちは常にチャレンジャーの気持ちです。大阪桐蔭が相手でも引かずに戦いたい。今までやってきたことは自分たちの方が上やと思っているので、チーム一丸となって、勝ちたいという想いで戦えば勝てると思う」
明日の第2試合、大阪桐蔭に土をつけた唯一のチーム・天理が、みたび、大阪桐蔭とぶつかる。