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ついに日本卓球界の努力が結実!
福原、石川、平野達の“夢のメダル”。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byTetsuya Higashikawa/JMPA

posted2012/08/08 17:00

ついに日本卓球界の努力が結実!福原、石川、平野達の“夢のメダル”。<Number Web> photograph by Tetsuya Higashikawa/JMPA

表彰式での3人は、とにかく笑顔、笑顔、笑顔。北京五輪のリベンジとなった福原(写真左)と平野(写真中央)だけでなく、石川(写真右)も嬉し涙を流した。

北京で届かなかったあと一歩。その一歩が大きかった。

 団体でのメダルを目標に戦った北京五輪では4位と、メダルまであと一歩のところに迫った。

 あと一歩ではあったが、その一歩を乗り越えることが、大きな課題だった。

 そのための戦略は、世界一の中国への対策もさることながら、北京五輪で銀メダルだったシンガポール、3位決定戦で敗れた韓国に勝てる力をつけることだった。

 例えば、カットマンが主軸の韓国への対策として、カット対策を重ねてきた。シンガポールの選手も含め、徹底した分析も行なってきた。

 オリンピックの直前まで積極的に海外遠征し、世界ランキングを上げるのも戦略のひとつだ。その甲斐あって、日本は第2シードになり、中国と決勝まで当たらない組み合わせを得ることができた。

長年に及ぶ日本卓球界の苦労が報われた瞬間……。

 大会では、想定していたとおり、準決勝であたったシンガポールを破ることができた。

 20年余におよぶ再建策、北京からの4年間の強化、その2つが、実った瞬間だった。

 メダルを手にしての福原の言葉も、それを示唆しているかのようだった。

「ここまで来るのに、たくさんの方に支えていただいた。そういった方たちの思いがたくさんつまったメダルなので、重く感じます」

 このように、念願のメダルを手にした日本女子だが、決勝の相手、中国にはまだおよばないこともあらためて知ることになった。

 ラリーの中で、回転量の多いボールを深く打ち込んでくる。パワーだけでなくスピードもある……。

 福原が第2ゲームで5-9から6点連続で奪ってこのゲームを取るなど、抵抗も見せたが、やはり、中国が一枚上であるのは誰の目にも明らかだった。

 しかし、決勝という舞台で初めて、中国と対戦することができたのだ。そこで感じ取ったものは次へとつながる。

【次ページ】 明確に見えた中国との差こそ、今大会最大の収穫。

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