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“CL優勝で3冠”を置き土産に……。
モウリーニョは有終の美を飾れるか? 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2010/05/22 08:00

“CL優勝で3冠”を置き土産に……。モウリーニョは有終の美を飾れるか?<Number Web> photograph by Getty Images

2冠を手にしたモウリーニョ監督。移籍がほぼ確実とされるなか、22日のCLファイナルの結果と、その後の動向に注目が集まる

「イタリアンカルチョが私のホームだとは思えないんだ」

 5月5日、コッパ・イタリア決勝戦で因縁の相手ローマを下すと、「私が指揮しようとしまいと、インテルは完璧なチームだ。もうこのチームに私ができることはない」と、今季限りの離脱を匂わせた。

 そして、16日のセリエA最終節シエナ戦ではリーグ史上61年ぶりとなる5連覇を達成。しかし、2冠めを手にしたモウリーニョに笑顔はなかった。喜びよりも疲労と憔悴。歓喜にむせぶ選手たちの喧騒からひとり離れ、チームバスのなかで国営放送の優勝インタビューに粛々と答える様は異様にすら映った。

「今日、最強はわれわれだと証明することができた。だが、私個人にうれしい感情が湧き上がってこない。イタリアンカルチョが私のホームだとは思えないんだ」

 そう言って、メディアとの確執や対外的なプレッシャーに晒され続けた2年間を独白した。前々日発売の現地誌インタビューでは「遅かれ早かれ、私はレアルを指揮する」と語り、インテルのモラッティ会長も「残念ではあるが、モウリーニョが夏以降マドリードに行かないほうが驚きだ」と引き留めを断念した。

指揮官の花道を飾るべく、チームの士気は高まっている。

 一連の発言に対し、選手たちの反応はどうか。指揮官の最も身近にいた選手たちは、彼の秘めたシナリオなど百も承知だ。傲岸不遜で知られるモウリーニョだが、選手たちへのカリスマ性と求心力は絶大。去就問題でチーム内が動揺することもなければ、むしろ指揮官に最後の花道をお膳立てすべく、士気は高まっている。

 インテル一筋15年、バイエルン戦で通算700試合出場を達成する主将サネッティはもちろん、今季加入組のモチベーションも高い。コッパ・イタリア決勝とリーグ最終節で決勝ゴールを叩き出したFWミリートは、「マドリードでもゴールを決める」と意気込んでいる。MFチアゴ・モッタの出場停止は痛いが、シーズン中盤からいざこざの絶えなかった問題児FWバロテッリの処遇問題も解決。CBルシオも復調し、守備陣のフィジカルおよびメンタルコンディションはパーフェクトといっていい。

 3冠達成を惜別の置き土産に、モウリーニョは有終の美を飾ることができるだろうか。彼のインテルは大団円を迎えられるだろうか。22日のCLファイナルを見逃すことはできない。

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