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ジェフを支える佐藤勇人と山口智。
2人が見据える新たなスタートライン。 

text by

細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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photograph byAFLO

posted2012/07/21 08:02

ジェフを支える佐藤勇人と山口智。2人が見据える新たなスタートライン。<Number Web> photograph by AFLO

ジェフユナイテッド千葉がJ2へ降格した2010年から再びプレーしている佐藤勇人。J2初年度は、J1自動昇格となる3位アビスパ福岡と勝点8差で4位。翌2011年シーズンは3位コンサドーレ札幌とは勝点10差の6位だった。

佐藤と山口がともに抱く、自分自身の“あるべき姿”。

 7月15日に行われた第24節、千葉は絶好調の横浜FCに1-0と競り勝ち、第19節以来約1カ月ぶりに首位に立った。

 試合後のミックスゾーンで再び佐藤をつかまえる。

「この道を選んだ自分に対する答えは、J1に昇格することでしかない。だから、昇格を決めて初めてスタートラインに立てると思う。今の自分に一つの答えを出せるとしたら、本当にもう、それしかないですよね。だから、何としても昇格しないと」

 ともに“2度目のジェフ”で同じ目標を目指す2人だが、クラブに対する立ち位置の解釈は異なる。佐藤は「戻って来た」。山口は「戻って来たわけじゃない」。しかし、その先には、自身の“あるべき姿”がある。佐藤の言葉は、2人に共通する気持ちを代弁しているように聞こえた。

「J1でもう一度自分を取り戻したい」と佐藤は誓う。

「J1でもう一度自分を取り戻したい。もし来年ということになれば31歳になるけど、そこからでも十分に取り戻せると思うから。京都で一緒だったヤナギさん(柳沢敦)がそうだったし、もちろん寿人の存在もある。アイツがあれだけJ1で活躍しているように、やっぱり自分も、自分という存在をもっと出したい。ただ、他のチームでそうしたいわけじゃないんです。自分の存在感を、ジェフで出したい。だからまず、スタートラインに立つこと。そのために今を頑張る。やるしかない」

 22チームで争われているJ2は、全42節。今シーズンは上位2チームがJ1に自動昇格し、さらに3~6位のうちプレーオフを制した1チームが昇格するという新方式が採用されている。第24節終了時点では上位10チームが勝ち点差10の間にひしめく大混戦で、この戦いはこれからさらに激しさを増すだろう。

 果たして千葉は、“J1昇格”に向けたスタートラインではなく、“もっと大きなクラブになるため”のスタートラインに立つことができるか。2人のリーダーを中心とする新たな物語は、まだ動き始めたばかりである。

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