EURO大戦2012BACK NUMBER
PK戦の末、イングランドに辛勝した、
“らしくない”イタリアが秘める可能性。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byGetty Images
posted2012/06/25 12:50
120分の死闘の末のPK戦、1-2と追い詰められ緊迫した雰囲気の中、GKをあざ笑うかのようなチップキックでゴールを決めたピルロ。試合後、「GKがかなり気合いが入っているように見えたから、あのようにやろうと思った」と語った。
厳しい条件下でドイツと戦う準決勝のポイントとは?
イタリアは決勝でフランスに敗れた2000年大会以来、12年ぶりの4強進出を成し遂げた。おそらくこれで、今大会における「ノルマ」は果たしたと言えるだろう。だからこそ、精神的な重圧から解放される準決勝では、試合開始直後の3分間に象徴されるような“らしくない”イタリアをどれだけ長く見せられるかがポイントとなる。
試合後、スタジアムの外を歩いていると、「CANNAVARO」のユニフォームを着たサポーターを3人、「TOTTI」を着たサポーターを2人見かけた。しかし、バロテッリを筆頭に魅力的な新時代のタレントが台頭する今、かつてW杯の頂点に立ったチームに思いをはせる必要はない。
次なる相手はドイツ。イタリアは中3日、ドイツは中5日と厳しい条件下でのセミファイナルとなるが、この日のイングランド戦しかり、初戦のスペイン戦もしかり、“らしくない”イタリアが優勝を狙えるポテンシャルを秘めていることは間違いない。