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バスケ一筋だった青年が
パドレスの救世主となる。
~メジャー3年目のウィル・ベナブル~
text by
津川晋一Shinichi Tsugawa
photograph byYukihito Taguchi
posted2010/05/14 06:00
父のマックスは'92、'93年に千葉ロッテに在籍。今はパドレス傘下で打撃コーチを務めている
整備が進む投手陣に比べ、今季も打撃が課題のサンディエゴ・パドレス。その貧打線にあって、メジャー3年目の飛躍を期待される選手がいる。強打の外野手、ウィル・ベナブルだ。
そんな彼は少しばかり変わった経歴を持つ。「多くの選手はメジャーリーガーに憧れて育ったと思うけど、僕の場合はそうじゃなかった。正直に言うと野球があんまり好きじゃなかった」。12年間メジャーでプレーしたマックスを父親に持ちながら、ベナブルは野球場に連れて行かれても係員たちとバスケットボールで遊んでばかりいた。なんとなく続けた野球だが、高校途中で見切りをつけてしまう。その後「情熱を注ぎ込んでいた」というバスケットボールを続けるために、名門プリンストン大学に進学。優秀なアスリートにありがちな複数スポーツの掛け持ちをせず、2年間バットを握ることは一切なかった。