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偉大な王者の前で感じた
拳をめぐる時代の違い。
~ボクシング界の現状を憂う~
text by
前田衷Makoto Maeda
photograph byBOXING BEAT
posted2012/05/07 06:00
祝賀会に集ったボクシング界の錚々たる面々。輪島、竹原、薬師寺、畑山らが原田を囲んだ。
去る4月5日、ファイティング原田こと原田政彦さんの世界チャンピオン獲得50周年を記念する祝賀会が催された。この日は原田さんの69回目の誕生日に当たり、ガッツ石松さんら多数の後輩チャンピオンを含むおよそ500人が出席して日本人唯一の殿堂入りチャンピオンの偉業を讃えた。
会は格闘技好きを自任する野田首相のビデオ・メッセージまで披露される盛況ぶりだった。原田さんが特別なチャンピオンであることを考慮してもなお、今の時代の世界チャンピオンたちとの違いを感じざるをえない。
佐藤洋太が3月27日にWBC世界スーパーフライ級王座を攻略した時点で、現役9人目の日本人世界チャンピオンの誕生という新記録が生まれた(名誉王者、休養王者も含むという但し書き付きだが)。この記録は4月4日、清水智信がテーパリットに惨敗しWBAの同級王座から転落したため、僅か8日間の短命に終わるのだが、記録は記録である。