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<マラソン特別講義> 秋元才加 「東京マラソンを2度完走したAKB48代表」
text by
佐渡五郎Goro Sado
photograph byTakuya Sugiyama
posted2012/04/12 06:00
失敗を乗り越えたからこそ満足のいく走りができる。
Number Do「RUNの学校。~ランニングが楽しくなる方法、教えます~」では、数々の実績を残してきた有名人ランナーを講師に迎え、マラソンにまつわる
自らの経験を語ってもらった。
今回、AKB48のメンバーとして多忙な日々を過ごしながら、フルマラソンを2度完走している秋元才加さんの“貴重な教え”を公開します!
東京マラソンを2度完走している。2011年のタイムは制限時間ギリギリの6時間50分6秒。2012年は5時間34分13秒。AKB48の秋元才加は1年で1時間以上タイムを縮めたことになる。何が彼女を変えたのか。これからフルマラソンを走りたいと思っている初心者にとって、秋元の経験談には、とても貴重な教えが詰まっていた。
「マラソンは体力というよりメンタルの勝負なんですよね」
私、学生時代にバスケをやっていて短距離は速かったんですけど、長距離は大の苦手で。スタミナがない上に、気持ちが弱い。「ああ、もうダメだ」と思ったら走れなくなっちゃう。やってみて気づいたんですけど、マラソンは体力というよりメンタルの勝負なんですよね。
前回、2011年の東京マラソンは不安でいっぱいでした。ハーフマラソンは一度走ったことがあったけど、フルマラソンは未知の世界。42.195km走るとは一体どういうことなのか、自分がどうなっちゃうのか。私の場合、練習は1回10kmほどですけど「10km×4って何?」という感じで、距離の感覚がつかめず本当に不安だったんです。レース1週間前になりコーチの方から「ご飯をたくさん食べて休息してください」って言われたんですね。でも、どうしても恐くなって直前に20km走ってしまいました。
フルマラソンを経験して、自分の体の声を聞くようになった。
本番も慎重に、探り探り走っていました。一番キツかったのは前半。日比谷、品川のあたりが辛かったです。ビルしかなくて、まったく景色が変わらない。1kmが本当に長く感じて。逆に後半はそんなにキツくなかったのですが、もうちょっと行けるかなと思いつつ行けなかったという。タイム的には満足できなかったですね。
ただ、最初のフルマラソンは、本当に良い経験になりました。一度走ってみて、意識が変わったような気がします。何より大きかったのは、自分の体の声を聞くようになったこと。「今日は疲れたからゆっくりお風呂に入って体を休めてあげよう」とか、「今日はちょっと足が痛いな。無理しないでおこう」とか、自分の体と対話するようになって、自分自身のことがよく分かってきたと言いますか。この一年、ますます仕事が忙しくなってきたのですが、その分、時間を見つけてストレッチをやったり筋トレをやったり、体には気をつけるようになりました。