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<西武ドラ1ルーキーの成長物語> 十亀剣 「強気で目指すは“本格派”」 

text by

赤坂英一

赤坂英一Eiichi Akasaka

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photograph byToshiya Kondo

posted2012/04/12 06:01

<西武ドラ1ルーキーの成長物語> 十亀剣 「強気で目指すは“本格派”」<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

高校の先輩である工藤、山崎、イチローとは違う道へ。

 この夏、十亀の球速は自己最高の138kmに達していた。ところが、横から投げると129kmどまり。サイドは球威の乏しい技巧派というイメージも強い。シニアチームのころから直球で勝負してきた十亀には容易に受け容れがたいことだった。が、オーバースローのままでは2番手に甘んじるほかない。

Ken Togame
1987年11月7日、愛知県生まれ。愛工大名電3年生時、甲子園に春夏連続出場し、春は優勝に貢献。日大を経てJR東日本に入社し、チームを都市対抗に導く。今季ドラフト1位で西武に入団。右投右打。183cm、82kg。

「よし、じゃあサイドで140km出せる投手になろう。そんなタイプはプロにもいない」

 自分にそう言い聞かせ、懸命に練習に打ち込んだ。投げ込みよりシャドーピッチングが中心で、フォームをビデオで撮影してはチェックを重ねる。この年、巨人の斎藤はすでに引退して2年たっていた。のちに進んだ日大の先輩、ヤクルトの館山昌平もサイドの本格派だが、家のテレビで野球中継を見る習慣がなく、館山の存在すら知らなかったという。そのため、自分で試行錯誤を重ねて横からの投げ方を身につけるほかなかったのだ。

「そうしたら、2年生の秋、神宮大会で140kmが出たんです。横に変えてから1年で、おっ、出るじゃん! とうれしくなった」

 3年生で春のセンバツに出場し、球速が142kmまで伸びる。やっと手応えをつかんだものの、結局エースにはなれず、プロからも声はかからない。仕方なく大学進学を考えていたとき、監督にかけられた一言にまた新たなモチベーションをかき立てられた。

「工藤(公康)、山崎(武司)、イチローとうちは高校からプロに行って出世した選手は大勢いる。しかし、大学、社会人を経てプロで一人前になった選手はまだいない。おまえがその第1号を目指すんだよ」

高校は2番手、大学は2部リーグ、そして社会人では、野球人生をかけなければいけないほど追いつめられた。どのステージでも壁にぶつかり、それを乗り越えてきた十亀は、プロの一軍という舞台に上がったとき、果たしてどんな投球を見せてくれるのだろうか――。
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