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<2012日本男子ゴルフツアー展望> 鎖国化を食い止める石川遼と3人の男たち。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byGetty Images
posted2012/03/22 06:01
石川遼――今季米ツアー5戦目のプエルトリコ・オープンは単独2位。出場試合数制限が解除される特別一時会員資格を得た。
海外メジャー挑戦を強く意識し続けるベテランの視線。
たとえば、平塚哲二は独自に世界とのつながりを保ってきた選手である。日本のシードがあるにもかかわらず、'09年からアジアンツアーにもかけ持ち参戦してきた。昨年はアジアで賞金ランク2位。一時は日本とのダブル賞金王を視界に入れるほどの強さも見せた。日本だけでなく、アジア経由でも世界を目指す。そんなやり方があってもいい。
以前は一匹狼でいることが多かった谷口徹は若手と一緒に練習をしながら、培ってきた経験と若さの刺激を交換するようになった。昨年9月のフジサンケイクラシックで諸藤将次が初優勝したように指導を受けた選手が次々に結果を出す現象が起こり、2度の賞金王に輝いた男はツアーの底上げにも一役買っている。海外メジャーへの挑戦を強く意識し続けるベテランの視線は今なお鋭い。
彼らのように世界への意欲を抱き、ツアーに迫力をもたらす選手が2012年はどれほど現れるだろうか。求められているのは線の細いポップスターではなく、力強く道を切り拓くたくましいヒーローである。